友よ ? 不確かな街からの手紙 ?/do_pi_can
 
友よ
ここを埋めるものは,
不確かな確実だ

どれだけ風が吹いたって,
何度,理想が破裂したって,
真実などは見えてこない

毎時,毎分,
何本もの列車が到着し,出発し,
大量の幽霊達が
吸い込まれ,また,吐き出されていく

幽霊を見下ろすのは,
大きな顔の女の微笑だ
胸の丸みを意味ありげに隠しつつ
つるりとした肌で
何度も何度も
無表情に
微笑みかける

列車は
何処から来るのか
いたるところの廃墟
廃墟より来たりて,
新たなる廃墟へと去る

廃墟は
日毎,新たに作り出され
幽霊達も
常に増産される
その連鎖を司るのが
空に向って
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