正当防衛/
フユナ
砂丘であなたに会いたかった
あなたの足をつかみたかった
行き倒れる寸前の
砂に埋もれたあなたの足を
谷であなたに会いたかった
あなたの骨を接ぎたかった
花をとろうと滑らせて
くじけた白い
あなたの骨を
闇であなたに会いたかった
あなたの目を洗いたかった
慣れた風で手探りをする
少し乾いたあなたの涙
頭上にはネオン
いつ錆びるとも知れないネオン
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