頬杖/蒼木りん
左手は
重たい頭をささえていて
それは頬杖
というのだけれど
わたしは
本当はその恰好が嫌いで
なんでかといえば
できれば
誰にも見られたくない
白い画面を見つめる
後ろ向きの背中
君の目に映ることが
君に
君の大事なことに
わたしは
背を向けているんじゃないんだよ
「煩い」っていう言葉は
君が嫌いだからじゃないんだよ
本当にただ「煩い」だけなんだ
頭が
重いんだ
思いなんだ
想いだけなんだ
ささえていないと
つらいんだよ
それは
自己犠牲と考
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