blue cheese/蒼木りん
 
賽ほどの欠片を
銀のフォークですくい取り
口に含ませ
乳臭さと緑の苦さを舌の上にひろげる
果実を浸けた酒を
少量流し込み
絶妙の味覚を堪能
欲していた分だけの
至福

肉が食べたくなる
そのうち
私の肌に緑のカビが生えてこないだろうか

そうしたら
貴方が口に酒を含ませて
私の身体を全部嘗めて欲しい

乳臭い緑の苦い
blue cheese の味がするでしょう
温かい肉の匂いもするでしょう

貴方の好きな味
ふたり
欲していた分だけの
至福


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