インスタント男と女/蒼木りん
 
男が
いやらしさを見せ始めたと
敏感になる

嫌悪の前触れかもしれない
そう思い始めると
男にとっては悲劇だ

私の中で感じてきた
多くの男の性ともいえる 
類似するいやらしさ

男は自ら
最後の気をゆるめちゃ
駄目なのだ

曖昧な会話
目は空の上の上を眺め
早く帰りたい気分

はじめに互いに隠していた
または隠れていたこころは
途中で入れ替わる

私は
ちょっと手間がかかる
インスタント食品だと思う

微妙な期待ハズレは
仕方がないけれど
腹が膨れてくる

繊細な部分を
誤魔化そうとするのは
私のよくないところ

口意外にも
目で喋るから
女は嫌いだ

私は
いつのころから
女になったんだろう

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