天井/蒼木りん
 
三くちめの酒が血液を消毒してゆく

鼓動とともに

先端まで廻ってゆく

私の血は

ずいぶんと汚れていたのだろうか

滲みる

私に合う薬はこれなのだろう

蒼い炎で燃える身体

いまは

誰の手にも触れられたくない


厚い雲が

街ごと閉じ込めているようだ

もしも

雲の上が無風地帯なら

音もない世界で

移ろいもない藍色ならば

宇宙の塵が

ときどき大気圏で燃えて

光のすじを見せてくれればいい


それでは

まるでラブホテルの

薄暗い天井じゃないかと

少し苦笑いする


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