ノート(地音)/木立 悟
 


焦土をさまよう鳥が
音に出会い そこに住んだ
双つの枯れ木が立っていた



緑は墓から来て
どこまでも薄く
地平に向かった



生まれるものはなく
来るものだけがあり
枯れ木は双つだった



ある朝 音は見つめていた
地平には焦土があった
鳥は 旅立った



地平が霧に覆われる頃
双つの枯れ木の下で
音は別の鳥に出会った



鳥はそこに住んだ
足元には
緑があった






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