亡/炬燵
忘れる
私は忘れる。便利だから。でもとっても困ることも在るのです。
大切な事、必要な事、もう思い出せませーん。
そう言い切って見せます。
なんか、もうどうしょうも無いって顔されます。
そんな時、ちょっと悔しい。
忘れたくない事は忘れるのにね。
ニホンゴモオモイダセナイ
そんな迷路。そんな私。
何しに来たんだっけ?とか何するんだっけ?とか
特に悔しいのが、どこに在ったっけ?って
ほんとに悔しいんです。苛々するんです。
そんな顔しないで下さいよ。自分でもワカッテルンデスカラ!
つまらない事とか聞かないで。忘れてるに決まってるでしょ?
ほんと、ごめんなさい。悪気無いんです。
でも、便利。
知ってても知らんぷり。
人の秘密は引出しの奥に。
自分の秘密はゴミ箱に。
忘れたい事は冷蔵庫に。
知りませーん。分かりませーん。
だからって私に秘密言わないで下さい。
実は憶えてます。
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