君飼い/フユナ
 



兄は云う

この井戸を掘り返してなるものか、

と。





野井戸はけして深くなく、

雨水が満ちているのだが。




野井戸はすでに開かれて、

月が泳いでいるのだか。





兄は何度も

この井戸を掘り返して
なるものか

と。





兄は何度も

この井戸を掘り返して
なるものか

と。






兄は手紙をだしたのらしいが

それは君飼いの硬い切手を貼られて

かえってきたので





兄はそれを嫋々と溢れそうな野井戸に埋めようとするがそれは埋ま
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