ノート(私が見捨てた鳥)/
木立 悟
ある日 私が見捨てた鳥が
私の目のなかに棲みついて
朝は右目 午後は左目と忙しい
ある夜 視線が重なったとき
鳥が見るもの
私が見るもの
憎しみにそんなに違いは無く
悲しみにそんなに違いは無く
違いの無さに気づいて流す涙にも
そんなに違いは無かったのだった
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