き、きみ、み/露草色
 


気味の向こうへ
手を伸ばしたら
思い出せない歌

聞こえて昔

詩を贈りました
鏡の
詩の中でかつて
女である。こと
投げ付けられた
未熟な
巻き毛だからと
女で
見たくない

思ったからです
知っていますか
気味の向こうで
聞こえた


人として
電話していたら
きこえたんです
二か月前でした
見えない、と
したら
する
こと

傷つけてしまう
なら
鏡の
あの部屋にまた
帰るのは

だから
見せました、昔
歌った詩は
あんなに
恋と
離れたかったの

出来なかった

でも
今も
君は男ではなく
私は女ではない

です、と
上手く言えない
から
生きにくくてね
憎まれるのかね
卵を
ボイルしたのは
ただ
朝食に
色を添えたいと
思った
だけ
なんだけど、ね

そうだ
知ってるかな?
雛の性別を見分ける仕事には
日本人が向いているそうだよ










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