鉄塔の下/蒼木りん
 
この鉄塔の下に来たことに

明確な理由なんて

無いから

私達は黙りこむしかない


電線の間を風がとおり

揺らすのを見ていた

何も変わりはない


私達が

手を握り合っても

幾度くちづけしても

快楽に溺れても


お腹が空いているから食べる

ただ眠いから眠る

そんなようなものでしかない
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