私は幻/
唐草フウ
まぼろしのわたしを
まだ探している人がいるようで
それもまたまぼろしの
空気の環っかが生す群れ
拭けばガラスに付いたほこり
きえてしまうでしょ
身体にしみついた その影も
洗い流せば
夜の終わるころ
まぼろしに帰る
朝の始まるころ
光るゆびが消えたなら
朝の夢の方向へ
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