壁/
まりも
壁の向こう側にあかるい未来が存在すると聞いた
あたしは未来が見てみたくて
その壁を乗り越えようと足掻き
ある時は穴を開けようともがいた
突然、風が吹いてきて 目に砂が入った
そして気づいたのだ
鉄筋コンクリートでできた
天まで聳える分厚い壁なんて
もともとそんなものはなかったのだ
壁は、あたしだ。
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