/渡邉建志
ぼくとあなたが非実体を通して繋がっているのなら、ぼくはたぶん死んでいてもいいし、あなたもたぶん死んでいてもいい。
あなたは毎朝モールス信号の電話をかけてくる。つー、とんとん、つー。あなたはそれを100年前に仕掛けたのかもしれない。ぼくは送り返す、つー、とんとん、つー。100年前のあなたはだいたいぼくがどんなことを言うか知っている。ぼくとあなたは非実体を通して繋がっているのだから。100年前のあなたはぼくがどんなことを言うのかに対してまた明日の朝モールス信号の電話をかけてくる。つー、とんとん、つー。つー、とんとん、つー。
ぼくにあなたはみえないから、あなたのこえすらきこえないから、単
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