献花 /
服部 剛
喪服で参列する
一人ひとりが
棺に横たわる亡骸へ
花を捧げるごとに
百歳の老婆の
寝顔はほころぶ
火葬場で焼かれる
老婆の百年
晩夏の
蝉の鳴声響く
夏空へ
昇る
ひとすじの煙
喪服で参列した
一人ひとりの胸に
いつまでも消えない
花に囲まれた
老婆の寝顔
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