ツミノコシ/フユナ
赤いふくを着て
ツミノコシが生えていた
しょげているのか、ぬれていた
それでもいくらか
嬉しいようだったので
どうして つんだのと
先生に 尋ねた
咲かないようにね
先生は一度つぶやいて
咲かないように ね
揺れたツミノコシの
ぬれたリフレインが かかった
しょげないでいいんだよ
つみのこしたのは
わたしなのだから
ツミノコシは
ツミに問われない
鶏頭のような赤いひだを手にして
先生は わらった
俯いたとして
君と出会って
ここで 俯いたとして
私たちのすすむ、一歩に
私は花を見つけないより
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