帰国して思ったこと/tibet
僕が2年間弱住んでいたのはアメリカの田舎町で、娯楽と言えばバーへ行って酒を飲むことくらいしかなく、車を少し走らせれば見渡す限りの麦畑、そんな場所だった。町には線路が一本走ってはいるものの、貨物電車が通るだけのもので、駅は無く、たまに警笛は聞こえるけれども、およそ2年間もの間、まともに列車が走っているのを見たのは一度だってなかった。
そんな辺鄙な場所から今年の夏東京に帰って思ったのが、やはり「人が多い」ということ。もちろん今まで僕が住んでいたところに比べればそう思うのは無理も無いことで、蒸し暑さも相まって、外に出るのが嫌になる。
「二十五年以上東京で生活しておいて、二年くらいアメリカ行っ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)