君に会いたい/たけ いたけ
 


真夜中ですら
ザラザラとした
大通りの
卑猥な笑いが裏返り
囁き合い
頷きを忘れるほどの
原始に出会う

骨が抜かれ始め
誰かが忘れていた悲鳴を
高々と上げる

町中の看板が炎に変わり
君たちが物陰に逃げ帰るときは
怖がらずに
鉄パイプを投げつけよ

ジグソーパズルを組み立てながら
待つ
待つ
待つ待つ待つ

ただひたすらに
あの日のことを繰り返し
ずっと前から炎上し始めている
画面にそれを再生させながら




乾いた合鍵が発見された
画面が燃えたまま
生き残った
そして
ネズミとの生活が始まる

明日もしや

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