「瞼の交響」/焼石二水
ゆっくりと
その角を曲がって行け、。蹄でなく
流れる一筋ごと粒子を埋め、加速し
金糸のそれぞれの鈍い光によって
産まれて行け、。
((失速しながら
しかし、果てまで手を伸ばして、。再びの
((波打ち際によって
静かに置いて行かれよ、。髪でなく
流れる一粒ごと文字を埋め、輝き
銀糸のそれぞれの透過によって
死んで行け、。
((生きとし生ける
息づかいに横たわる
街を出ようとする者と
街であろうとする者と
街に在ろうとする者の
その肉とその河の
((浅瀬によって
やさしく閉じられよ、。
今
滑り込んで来る者の名を
口にすることは許さない、。その
強度で曲がるのだ
夜よ
((ひとり
流れに立ち、。眠れ
やすらかに
やすらかに
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