愚痴/見崎 光
公の場で曝けだす醜ささえも
愛おしいと思える今宵は
独り静かに息を吐き出して
おもむろに語りだそうか
なぜだか
何もかもを
手放した気持ちに浸かっている
理由も正体も分からず仕舞いなのに
いつも怯えていたりして
眠りにつく数秒は
ぐったりと疲れきった精神を
慰めることも出来ないでいる
虚しさは糧にならない
けれど
鈍った五感に触れるものはいつでも
意志の持たない
間の抜けた独りよがりな言い訳ばかり
日は上り沈んでいく
同様に
刻々と迫り来る最後の時間は
容赦なく流れ流れて
過去を繋いではくれない
いや、繋ぐ余裕すら
与えてはくれない
後悔は常に寄り添い
愚かさの念が
無意味な涙を誘っ
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