愚痴/見崎 光
 
公の場で曝けだす醜ささえも
愛おしいと思える今宵は
独り静かに息を吐き出して
おもむろに語りだそうか


なぜだか
何もかもを
手放した気持ちに浸かっている

理由も正体も分からず仕舞いなのに
いつも怯えていたりして
眠りにつく数秒は
ぐったりと疲れきった精神を
慰めることも出来ないでいる

虚しさは糧にならない
けれど
鈍った五感に触れるものはいつでも
意志の持たない
間の抜けた独りよがりな言い訳ばかり

日は上り沈んでいく
同様に
刻々と迫り来る最後の時間は
容赦なく流れ流れて
過去を繋いではくれない

いや、繋ぐ余裕すら
与えてはくれない

後悔は常に寄り添い
愚かさの念が
無意味な涙を誘っ
[次のページ]
戻る   Point(2)