橋の上にて/灯和
焼きたてのロンドン焼きを手に
あなたと歩く四条通りは、
日曜日の人の多さでさえ
気にならないほど眩しく見える
京都の空は意外と濁っていて
千切れた雲が小さく揺れる
今日は曇っているからね
空が近い 私に向かって降りてくるの。
あなたはいつもはぐらかす
笑顔の向こうに隠したものに
いつか触れるのだろうか
眼鏡の奥には何が映るの
人の波に流されていても
この手を繋げば大丈夫でしょう?
だから、離さないで ね。
ロンドン焼きひとつ分の
ささやかな甘い熱と引き換えに。
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