また転ぶ/weed & sky
 
それもスタート地点で何もないのにけつまずく。
一緒に走っていた人はどうやらみんなちゃんとスタートを切ったらしい。
みんなの背中がみるみるうちに遠ざかっていく。
ほどけてもいない靴紐をなおす。
いつだったか生垣の外側から庭にいるらしい小鳥を狙っている猫を見た。
からだをうんと低くして尻尾でリズムをはかって、ジャンプ一番。
だが彼もしくは彼女と小鳥の間にはヒイラギモクセイの生垣があったのだ。
猫は四本の足を広げてずるずるとチクチクの生垣をずり落ちていく。
トムとジェリーってほんまやったんや。
猫は何事もなかったかのようにその場から立ち去っていく。
ああ、何だか知らんがあの猫の気持ち
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