ただの石/ねなぎ
 
誰かの指で
ひけらかされたり
永遠の輝きを
放つようなこともなく
ただ回る

何かにつけて
価値ばかりが
ついて周り
意味がなくては
いけないなんて
言い聞かされる

覚えてきたことも
役にはたたず
空回るばかりで
一日を終える

刃が回る

火花が飛び
汗だくになり
日焼けして
頬が熱く
無心になる

轟音を
つんざめかせて
鼓膜を破壊する
ように
地球で一番
硬いものが
コンクリートを
切り裂いていく
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