愛をうたうぐらいしか/yozo
 
なんの枷もなくするりと飲み込める
気道と食道とか、あまり意味は分らない
生きる為に出来た体
そっぽ向き優々と
今日もごちそうさまを寝言で繰り返す

振り向けば歴史は活字で
血が流れても地球は青い
夢がなくなることはないから
せめぎあう
勝敗は無い
唸り声はテノールで言う
何故目隠しをするのか
不安ではないのに
先に行くだけなのに
見てろ
奪うつもりなのは
しみったれた傲慢でしかない

永遠に過ぎ去ろうとする1秒を
瞬きで咀嚼する
歯ぎしりみたいに音はしない
静かに、確かに、
胸を突き破ることのない鼓動を知る
誰に言っても残るもどかしさが
今日も焼く
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