無題/田島オスカー
 
嗤うがいい、と近所の鬼婆が誰かに叫びあげ
それを聞き終えてから窓を閉めて白シャツを着て家を出た

ほぼ毎日あたたかくなってゆき
爪の伸びも早くなった気がして寂しい

楽しさも減ったよ、まるで空っぽだよ、
涙が出ないのもきっとその所為だ。

あまりに切ない景色にも負けて
春の白シャツに 泣かされる
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