不定日記/渡邉建志
1. 春
春、あなたは出かけようとする
どこともしらない土地へ
夢見がちなあしどりで
窓辺から見送る人は
アップルティーを啜り
笑う
暗くなってきた
野原に霧が降りる
寒い
2. 天使たちの歌
冷凍用のトラックのなか裏声でうたうそらはなんて白いんだろう
(天使に触れられないで)(浮かんでいる)(わたくし)(たち)
踊っている天使のなかにわたしはいないわたしはいないわたしはいない
めをつぶれそこがきみのじゆうだまっしろな天使たちのひとりとなって
(あみのめのようにかさねられる)きす((すりぬけていく、わたし
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)