呪文/結城 森士
 
一日、一日、僅かに、ずれていく、思い
正座して、布団に横になり、仰向けから、うつ伏せへ
窓は、白か黒か、或いは、黄色い
声、子供たちの黄色い
或いは、夜の静寂

そして、電気は付けたまま
音楽は、流れたまま

僕は低い「あ」を延々と流す

その時、振動と意識は昏睡へと導かれる

時々、目を覚ますと、自分が正座をしているのが見える
彼もまた、時間の中を、当ても無く彷徨っているのだ
だから其処には光もなく、音もなく、
ただ、低い「あ」を延々と流す彼がいる

もういいので、そろそろ目を覚ましてください
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