(ノート)/青色銀河団
 
封筒をあけずに
君からの手紙を読む

(もう街は雨雲でおおわれています
(まだ雨は落ちてはこないけれど
(まるで街全体が行方不明になったみたい

そう、風に
誰かの手紙がとばされ(行方不明になる少し前の記憶)
地平線の朱色に
例えば(紅の花が)
あるいは雲母の群れに
かすかな共和国のひびきとともに
あなたの名前が呼ばれる(悲しみの予定調和)


、、

ここには白い名前が溢れている
そして手で動かすとずれてしまう集落
尖る思想とはせつない暗黒のこと


窓はおしえてくれるね
くだものに対しても
まみえるままのあたしは、

生のものが尖って、
たったひとりのわれわれになる、
終わりの声から戦争の音楽が聴こえる、


地平線の血の色


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