味気ない朝/山人
 
 頭の中は常に混とんとしている。思考を切り刻んで並べてみれば、なにもさしたる問題はないのかもしれないのだが、何もできないでいる。と言っても、何もしないわけではなく、それなりに勤務仕事に出、家業も請けたものは消化している。ただ、おそらくだが、自分の体内の何かが異常をきたしているのかもしれない。頭重もするし、なによりも体調が良くない。
 なにもかも放り出してどこかへ行きたい、消えたい。そんなことを考えたりもする。消えるというのはそういう暗示ではなく、失せたいと思うのだ。勤務での小隊の中から失せたいという気持ちは相変わらず強いが、もういまは小隊という群れにこだわらない。タイミングが合えば、その一角に集
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