帰り道/木立 悟
 




空あおぎ覗き込まれる月夜かな



くりかえし夜を描き足す爪の蒼



水に浮く石を踏む道帰り道



目の生えた指が私になじみゆく



耳だけが曇と語る日まわり道



おだやかに花を殺める日陰かな



なだらかな時の坂道てまり唄



亡きひとのうなじかがやく十七夜







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