冬と春/木立 悟
 






眩む手にあふるる翳り冬と春



けだものよ応えぬ瞳応える背



降り止まぬ目に見えぬ雨降りやまぬ



花と骨つながるいのち星ひとつ



降りつづく耳にも手にも触れぬ声



空うつす左目を閉じ空を呑む



かたち変え終わらぬちから火をまとう



春もなく冬もない陽のうた響く











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