梅と湯豆腐/栗栖真理亜
 
箸の間をゆどうふつるり逃げまわる

熱い湯に浸かりし豆腐のぼせ顔

昆布退け湯豆腐様が今主役

湯豆腐や生姜やネギで髪飾り

湯豆腐の白肌柔く歯をあてる

幾年の梅酢の瓶は琥珀色

しかめ面祖母思い出す梅の味

年の瀬のスーパーの棚に梅鎮座

温暖な気候で遅し梅恋し

恥ずかしげ白梅フリル可憐なる
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