白と常在/
木立 悟
指ひとつ夜に融かして冬ひとつ
迷う背に涙の匂う二月かな
種火から双つの声と双つの葉
冬あおぐ二十三時の命かな
戸惑えば戸惑うほどに雪伽藍
冬に降る猫を積み上げ標かな
空に貼る青多すぎて春分夜
白や白みな眠る径すぎる径
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