俳句2012 5月中旬/北大路京介
 
仲間からはずれてひとり夏の下

風の歌を聞かされし人新樹かな

軽快な暴力喰らい青葉潮

鹿の子のおめめに映る朝の月

笛の音が闇を引き締め薪能

エメラルド色の泉に身を投げる

石臼の池にひっそり根無し草

アイドルの辞退脱退竹落葉 

芍薬や女スパイの網タイツ 

テンションがつかめないまま氷雨降る

鵜飼かな搾取する者される者

愛鳥週間鳶の声はピーヒョロロ

恋敵息の根止めて水中花

白牡丹祖母のつぶやき聞きにけり

新月の歌に抱かれたる黒牡丹

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