もしも今夜世界が終わるなら(自由律俳句)/そらの珊瑚
もしも今夜世界が終わるなら、参鶏湯を食べる
無人島に何を持っていくか、迷い続けてる
ああ、そうだ、小さいころ綿菓子屋さんになりたかった
どこかにきっとあると時々さがしてみるうちは、たぶん大丈夫
イヤリングすると決まって痛くなる、うすい耳たぶ
時代が君にやっと追いついたと思ったら、あっという間に抜き去った
昆虫の死骸こそ美しい
風はいつも吹いているのに
ほとんどがめったに使わない私の筋肉
テーブルの下に脱いだままのスリッパ、ポツンと
むこうみずという水、あったら飲んでみたい
シャーペンよりも先のまあるくなった鉛筆が好き
いちご味の香り付き消しゴム、かじったら超不味(チョーマズ)
君の心のふるいにようやくしがみついている、落ちたらきっと楽だろうに
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