ノート(鬼視)/
木立 悟
針くだく魚の血潮の銀河かな
手の甲で遠去ける度みどり湧き
さわりゆく棘のままただ融ける雪
夜を剥ぎ夜を接ぎ足す光かな
振り仮名が振り仮名の主すてる冬
振り仮名を振るたび虚し化け狐
冬と骨まじりあう目に映る道
羽の持つ雨こぼしては咲く陽かな
かつて視た自身のような鬼に笑む
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