ノート(穂先)/木立 悟
 






渦えがき夏猫とける真昼かな



活版のよごれたる指ふく若葉



一瞬の獣の夜に鳴る火薬



野から野へ指から指へ夜宮かな



無理矢理を頬になぞりて熱の降る



梅雨空に冬の行方を指す子かな



鈍だいて夜のけだもの尾を廻す



指先を銀の髪のよに去るこころ



隠れても息に解かれるうなじかな





















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