ノート(冬境)/木立 悟
 





雪うさぎ空の城壁うち砕く



目から目へ熱の帷子(かたびら)奮えたつ



風の層やわらかな襞(ひだ)たなびかす



濡れ雪の縦すじ仄か残りゆく



かぎ裂きの言葉ふたえに爆け飛ぶ



積もれずに星まわりゆく鉛うた



閉じこめた鴎の時間動き出す



誰もみな問わぬ冬こそ冬に在れ





























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