夜徒 夜徒/
木立 悟
かがやきを熱さを廻す途切れ指
夜からむ夜かきむしる夜がゆえ
岩の上また岩の下数億年
硝子にはひとりのすがた波ばかり
両腕に思い出せない言葉燃し
無情から無常をまたぐ冬の門
音の無い夜に手のひら縫いつける
けだものの過去にさわりて冬来たり
おのずから在るものに問う応えかな
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