送季火/
木立 悟
三ッ首の猫の背に降る緑かな
真夜中の林檎のにおい見つめあう
一弦と二弦のはざま眠る鳥
散る音を散るままに見る入り日かな
含む目と置く葉をすぎる空ひとつ
道端でそこに居ぬ火の声きこえ
光から光を取りて結ぶ猫
夢のなか夢みぬわたし立ちつくす
戻る
編
削
Point
(4)