雲のころ。。。 / 株式会社歌仙興行吟行/鵜飼千代子
 
++ 雲のころ。。。 ++


水のひら指先潜り鰯雲

雲の川街道並木に落つ銀杏

冷ややかな風に身を濯ぐ日溜まりで

秋浅し射し日の強さや汗拭う

ちろろむし耳に涼しく昼寝かな


栗虫や出て来るなよと皮を剥き

撓わなる銀杏の実よ落ちて来い

山牛蒡覇気を実に溜め反り返る

秋桜や空をくすぐる羽根ぼうき

行き止まるコスモスの路地空の園


秋桜の背の高さと丈比べ

悠久のしじま砕きたれば今生く

背にはやし身に沁む葛葉捧げ見る

コスモスやおむすびの中の梅干しや

雹ゆえに半身裸の立木かな


雀群れコスモス畑
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