'10冬/しろう
 


嬰児が鯖雲のしっぽを手繰る

懐は七十四円火星寄す

マントルを貫き出でし花椰菜

酒がない 猫を研ぎ澄ます

水仙の手習はるる笑み冬の月

南天のうさぎのまなこに目薬を

街灯と語らう恋猫朝ぼらけ

ポケットに「食べられません」詰め 街へ

100マイル進んだ 足の爪を切る

風花や冥土から来たエアメール

もうすぐ荼毘ですね 息はとめててね

窓枠が錆びる





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