冬躄/木立 悟
 








じゃんけんに勝っても屑に生まれ来る



しゃぼん玉まだ見ぬ原へ消えてゆく



少女には明かされぬまま冬の蛇



音を見る瞳吸い寄せ鈴の色



神の手に神が居ぬ日の夜明けかな



時の音闇の音ただ連れ去りぬ



水にさえ弾かれひとり夜に立つ



月を呑み月を吐きつつ夜をゆく



けだもののかたちのしゃぼん手に吼える



どこまでも扉なき夜ふるわせる


















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