ふる そそぐ/
木立 悟
降る棘や石の路咬む火花かな
午後の背を読み仮名のよにすぎる街
誰もみな狂わぬ日々に狂う雨
片足に片恋の針突き刺さる
どこからか悲は来て夢にのしかかる
とどまれり指に否の火はとどまれり
おまえからおまえの刃羽ふりそそぐ
息を継ぐ冬は冬刺しめくるめく
悔いの無い人の背に悔い降りつもる
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