業夜焦塵/木立 悟
 





道を焼き我を焼く笑み水たまり



つながりよ皮一枚の旋律よ



空ばかり人のかたちに閉じこめる



人が消え人のうただけ永らえる



未明には未明のあなた胸ひらく



夜を打つ水から先に夜になる



鉛墨水光土我断血(なまりすみみずひかりつちわれたつち)



ひらいても到かぬことば忌むばかり



毒は手に筆はからだに突き刺さる



とどめからはじまるいのち空を呑む



我忘れ時忘れても冬は来る



帰り道なくしてたどる花の棘



夕べ呼ぶ夕べ聞こえる遠まわり



月を呑む尽きることなき荒地呑む


















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