軌/木立 悟
 






剥がれてもなお身を削る付け焼き刃



死人らの声聞き飽きて冬燃やす



首くくる光の如き窓のうた



忘れては腐りなお呑む火酒かな



けだものの背に穂を蒔いて鳴らす咽



空はやく空孕ませて空逆子



牙ひかり水の果てから轟く穂



ひりひりと渡る雪ども血のにおい



あてどない音色染めゆく未明かな



こころ失く声失くひとり白湯を飲む













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