夕陽のように温かい物語 三篇/るるりら
【たまきはる】
珠さんが きはりましたのや
珠のような肌のお方でしてな
おおけな光の珠のようでしたな
魂というものに あたたかみというのが
あるのでしたら きっと夕日のようでっしゃろ
魂というものに寸法があるとしたら
あんな おおけな珠でしたら
どれだけ おおけな命でっしゃろか
人とは呼び難い
なにかとてつもない その方を、 私は
珠さんと お呼びすることにしました
珠さんは きはりました。
あの二階の窓から
こちらを見ておいでで
ただただ丸く人の姿でもないのに あきらかに
見ておいでだと わかったのでございます。
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