死闘の跡/
吉岡ペペロ
台風で中止になるどころか
ムシムシとした暑さのなかでプレーした
トーナメント後のラフやグリーンはタフでデリケートだった
グリーンが狙えるあたりには芝生を削った跡が無数にあった
プロたちのアイアンショット跡だ
姿は見えないけれど
かれらの死闘が聞こえるようだった
闘うということは
相手と同じ場所にいるということだ
そんなあたりまえのことがお腹におちて
広々とした気持ちで空を見上げた
戻る
編
削
Point
(2)