大雨が泣いていた/
吉岡ペペロ
大雨が泣いていた
理屈と感情が擦れあって
雷が音を鳴らしていた
雨に吹きつけられていた
蛍光灯の黄色いひかり
ホームで傘をささないでください
ひどく孤独だった
心臓が止まりそうだった
でもそれは幻想だ
ひとりではなかったし心臓も止まらなかった
おおきなからだで泣いていた
大雨が泣いていた
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